Amazonに習え!“ポチらせユーザビリティ”の極意 〜その1〜

Amazonのここがすごい!

Amazonは人をポチらせる」
Amazonには本当にニクイ工夫がちりばめられている。私もしっかりと向き合うまで気づかなかったのだが、(それだけ無意識にポチらされていたということか)改めてじっくり見てみると「そこまでやるか?」というほどポチらせることに全身全霊をかけている。
ここでは私がAmazonをザッと見た上で気づいた“ポチらせユーザビリティ4点”を紹介する。ちなみにレベルが進むにつれて技術が高くなっていく。レベル4全ての工夫を理解した上でポチらされている人は、相当なツンデレ且つAmazonオタクであると自負してよいと思う。

  • レベル1:「おまえはもうポチッっている」
  • レベル2:「あんたもポチッをとれば、あたしもポチッをとる。 それでいいじゃないか」
  • レベル3:「人はポチッなしに何も得ることはできない。何かを得るためには同等の代価が必要になる。」
  • レベル4:「遠くを見るな、前を見ろ。そこにはちゃんとあるんだ、ポチる"意味"が。」

■レベル1:「おまえはもうポチッっている」

購入を決めているユーザにわざわざ迷ってもらう必要はない。ECサイトにとって最も重要なことは、「買う気でサイトを訪問したユーザに確実に買ってもらうこと」である。そう、Amazonのように。
以下でA君の行動を見ながら説明しよう。


    • 下図のようにすっと目を走らせて写真、価格を(チラッと星も)確認したら、すぐに「ポチッ」


さて、勢いでポチッったA君だが、この画面が「レビューを見やすい画面」となっていたらどうだっただろう?以下で見てみよう。

    • 「さ〜て、ポチッろうっと、ん?」
    • 「おっと、レビューを一応見とくか」レビューに目をやるA君。


    • 衝撃走る。「なに〜!?高いのか?買わないほうがいいのか?!あ〜、やっぱやめとこ。ニコニコでいいや。」

レビューを見せていなければ購入していたはずのA君だが、ポチる前にレビューを見てしまうことで不安がよぎり、購入にいたらなかった。こうなってしまってはECサイトとしては致命的である。ポチらせた上で、「おまえはもうポチっている」と告げるサイトこそが強いECサイトであろう。(いや、別に告げなくても良いがw)
とはいえ、レビューを気にしてページを訪れる人は、なんとしてもレビューを見るために探してくれるものだ。見る必要のない人には見せない、見たい人が見つけられればよい。その絶妙なレビュー配置がすばらしい。
ちなみに私の記憶が正しければ、昔は商品写真のすぐ下付近にレビュースペースがあったはずだ。運用していく中で、レビューは下に追いやったほうが買ってもらえることを学んだのだろう。まあ基礎の基礎であるが。

■レベル2:「あんたもポチッをとれば、あたしもポチッをとる。 それでいいじゃないか」

AmazonのDVD商品ページでは比較的上部に「この商品を見た後に買っているのは?」というコーナーが設置されている。

私も最近気づいたのだが、本やCDではこのコーナーはかなり下のほうにあり、かわりに「この商品を買った人はこんな商品も買っています」コーナーが配置されている。
単価が高く、比較的大きな買い物になりやすいのがDVDである。その上、1巻を買ったユーザの多くは自然と2巻、3巻と買ってくれる可能性が高い。よって、「今すぐ目の前のユーザに1本のDVDを買ってもらうこと」に全力を尽くす必要があるのだ。
迷ったユーザの一部、仮にB君としようか。B君はこのコーナーに気づいてこう思ってしまう。

    • 「このページに来た65%もの人間がこれを買っているのか!じゃあ買えばいいじゃない!」ポチッ


もちろんレビューをゴリゴリ見てしっかり悩みたいユーザは、スクロールしてレビューコーナーへ向かうだろう。しかしながら、この理由で満足してくれるユーザも少なからずいるはずだ。その人たちをここで確実に射止めることが売上につながる。そしてみなみけファンも増える。「あんたもポチッをとれば、あたしもポチッをとる。 それでいいじゃないか」といわざるを得ない(違
予断ではあるが、この65%という数字はもちろん「このページを見たユーザ数」を母数にしているわけではなく「このページを見て何らかの商品を買ったユーザ数」を母数にしているはずなので、上記のB君は盛大な勘違いをしているわけだが、それでも数字のマジックというのはこわい。なぜか「買わなければ」という気にさせられてしまう。

■レベル3…と行きたい所だが

思った以上にボリューミーになってきたので、レベル3とレベル4は次回更新でお伝えすることにする。(申し訳ないですorz)ちなみに多くの人は気づいていると思うが、各レベルの表題はアニメ・漫画の名台詞から…げふんげふん、なんでもない。

それではここまで目を通してくださった方は、次回更新を期待していて欲しい。もちろんこんな基礎ではなく、もっとマニアックになりまする。